自然科学・身体運動科学分野活動ブログ

2022.11.09

  • 国東農業研修

研修後レポート 大河原花 (国東-2022-31)

ブログ投稿者:基礎教育センター 教授 丸橋珠樹(Professor Tamaki MARUHASHI)

 はじめに、この国東農業研修での経験は、愛おしいものとして、大学を卒業してからも残り続けるだろうと思います。4泊5日の研修期間はもちろんのこと、顔合わせや事前学習会のことも忘れられません。帰りたくないと思ってしまうほどに楽しかったし、かけがえのない夏休みになりました。

 この研修に参加しようと思ったきっかけは、漠然とした農業への興味でした。小さい頃は緑に囲まれた生活を送っていましたが、大きくなっていくにつれて目に映るものは変わってきます。「自然」との関わりは減り、大学進学と共に始めた都市での暮らしは、便利でありながらどこか物足りないものでした。そこで出会ったのが農の世界であり、今回の研修です。都市農業が盛んな練馬区といえど、多くの住民は農業と関わりを持つことが少ないでしょう。だからこそ、農業研修に参加して、もっと農業を間近で見たいと思いました。

 実際に4泊5日の研修を終え、まだ消化しきれていない部分、このレポートには書ききれない思いがたくさん渦巻いていますが、特に感じたのが、生き方の自由さです。私たちは研修で、農家の方にとどまらず、市長さんや地域おこし協力隊、イラストレーターの方など様々な方にお話を伺いました。みなさん肩書きに捉われず幅広い知識を持ち、先陣を切るように活動をされているのが印象的でした。中には移住者の方もいらっしゃいましたが、国東で生きているというのを肌で感じました。私も研修に行く前から地方移住に興味を持っていましたが、国東半島で暮らす方々を見て、お話をさせていただいて、安心感が得られました。卒業後の進路で悩むこともありますが、もっと自由に考えていいのではないかと肩の力が抜けた気がします。

 読めば分かるように、参加のきっかけと研修で得たものにはずれがありました。研修の2日目に気づいたことではありますが、フィールドノートに腱鞘炎になりそうと言いながら書き殴った内容は、研修前に期待していた内容と少し異なります。しかし、自分が大切にしたいと思ったことが朧げながら見え始めたという点もあり、充足感に満ちています。あー楽しかったな、で終わらず、先達である古谷先輩のように、この経験を糧にしてこの先の人生を歩んでいければと思います。

 コロナ禍ということもあり、例年の内容と比べれば制限がかかることもありましたが、最大限楽しい旅になったと心から感じますし、勇気を振り絞り挑戦してみてよかったと思います。最後に、こんなにも楽しく実りある時間を過ごせたのは、研修を共にした参加者のみんなと丸橋先生、あたたかく迎え入れお話をしてくださったみなさんのおかげです。本当にありがとうございました。
  • 芸術祭作品「説教壇」からのぞいた景色。撮影日時: 2022:09:02 17:30:23