自然科学・身体運動科学分野活動ブログ

2014.08.01

  • 国東農業研修

2013年国東研修(7) 三浦梅園記念館

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三浦梅園資料館で展示説明してくださった岩田学芸員(後列)を囲んで記念撮影。手には梅園の生涯と業績を描いたパンフレット。撮影日時: 2013:09:03

武蔵の教育目標の一つは「自ら調べ考える」です。その精神を体現したこども時代を生きた先哲である江戸後期の思想家三浦梅園の記念館を毎年訪れています。以下は、参加学生による記念館訪問記です。

三浦梅園はなぜと思ったことをとことん考え抜いて自然や宇宙などの天地の情理を漢文などでしたためた哲学者である。三浦梅園の哲学はすべての物事を疑うことから始まるのだ。そしてそれは天地のしくみはどうなっているのかという天文学の疑問だけにとどまらず、目はなぜものを見るのか、耳はなぜ音を聞くのかという日常のあたりまえの現象までも疑う。三浦梅園の学問は哲学、天文学、生物学、医学、政治経済学、道徳などさまざまにわたって展開されたのであった。

私は大学で社会学を学んでいるのだが、一年生のとき社会学とはどのような学問かという問いに対する答えは、あたりまえを疑う学問だと教わった。日常生活であたりまえとみなされている社会現象や文化、習慣などを調査によって、本当にそうなのか、検証する。この社会学の学びの姿勢は、三浦梅園のあたりまえをすべて疑うという姿勢に似ていると思った。社会学を学ぶものとして、三浦梅園の「華を識らんと欲せば……急に華圃へ趨れ」という言葉はとても印象的であった。何かを知ろうとするのなら、急いで現地へ行けという意味のこの言葉は、今回この国東半島への研修に参加した理由と重なるからでもある。
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漢文が刻まれた鳥居はこの地域には普通だが類例がほとんどないらしい。三浦梅園が生きたこの地の文化についてお話を聞く。撮影日時: 2013:09:03
自分の食べているものが、どのような場所で、どのような人が、どのようにして作っているのかわからない、そのような食のありかたが自分の中であたりまえとなっていることに疑問を抱き、食について知りたいと思ったのだ。わからないのなら農業という、食がうまれる現場を自分の目で見ることこそが、一番だと、行動あるのみを信じて参加した。
三浦梅園の「華を識らんと欲せば……急に華圃へ趨れ」という言葉を聞き、改めてこの国東半島への農業研修に参加して良かったと思う。