2017.05.18

Category:日本・東アジア文化学科

日本・東アジア文化学科 教授 アダム・カバット

不思議な世界への通路!

「幻想文学」とは何か?端的にいえば、現実世界ではありえない話を「幻想文学」と定義できますが、そう考えると、「現実」とは何かという問題に必ずぶつかります。「日本幻想文学演習」では、不思議な物語をたくさん読むことによって、最終的に、現実を生きる我々の固定概念に疑問を投げかけることを目指します。

テーマは毎年変わります。2017年度は、まず動物と幻想について考えることにしました。あらゆる動物は人間と共存していますが、たとえ猫や犬にしても、人間からみると不可解な面があります。人魚や河童のような、人間の想像から生まれた「動物」はなおさらです。

岡本綺堂の「鰻に呪われた男」(1931)からスタートしました。ある女は、鰻を生きたまま、むしゃむしゃと食べる男の姿を目撃しますが、その後、女はなぜかその男と結婚します。ここではその後の話を詳しく説明しません(関心のある方はぜひ読んでみてください)が、数奇な運命にあった女は幸せな人生だったかどうかというところで、活発な議論になりました。これから、孔雀が美しすぎるがゆえに殺害された話、サラリーマンが風呂場で恐ろしい人魚を密かに飼う話、神秘的な鳥が男の子を川から救う話などを読んでいきます。学生たちの反応が楽しみです。

 

私の河童コレクションからの二匹。日本の近代文学のなかで、河童をテーマにする作品が意外に多い。

私の河童コレクションからの二匹。日本の近代文学のなかで、河童をテーマにする作品が意外に多い。

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