2016.06.15

Category:社会学科

社会学科 准教授 林 雄亮

おいしい基礎ゼミ 林ゼミ

武蔵大学社会学部では「ゼミの武蔵」の名の通り、1年生からゼミが始まります。「社会学基礎ゼミ」として開講され、1年生全員が少人数クラスに分かれて、社会学を学ぶための訓練をしています。今年は私も基礎ゼミ担当として、2年ぶりに1年生と顔を合わせていますが、前期も半分を終え、みなさんすっかり大学生らしくなってきました。

多くの基礎ゼミのクラスでは、今頃の時期にレポートの書き方を学びます。もちろんこれは大学での学びの基本ですが、すぐそこにまで迫ってきた前期末レポートに向けた訓練といった方が現実をうまく表しているかもしれません。そんなわけで私が担当するクラスでもレポートの書き方を! と思ったのですが、梅雨入り前の気持ちのいい木曜昼下がり・・・。教室で毎回テキストを読んで議論じゃあ・・・というわけで、「地域社会と人間」をテーマとしたフィールドワークをおこない、それをもとにレポートを書くという内容にしました。

出てきたテーマは「江古田ミツバチ・プロジェクト」と「練馬の農業」について。なかなかセンスが良いです。フィールドワークの事前準備として2週間かけ、図書館やインターネットを通じて「江古田ミツバチ・プロジェクト」の活動概要と練馬の農業の歴史を確認しておきました。

「江古田ミツバチ・プロジェクト」の関係者の方からは、フィールドワークに出かける前に教室にてお話を聞くことができました。その質疑応答では、はじめはミツバチの生態や採取できるはちみつの量について質問がゼミ生から相次ぎましたが、「『地域社会と人間』というテーマに関するエピソードを聞き出すことが重要だよ」とアドバイスをすると、「プロジェクトに参加するきっかけは何でしたか?」「活動のやりがいは何ですか?」といったとても大事な質問が飛び出すようになりました。

江古田ミツバチ・プロジェクトの方々との交流(1)

【江古田ミツバチ・プロジェクトの方々との交流】

 

とれたてと2年物のはちみつを試食(1)

【試食。4月にとれたばかりのはちみつは桜風味で2年物は芳醇な香り】

 

その後は、「江古田ミツバチ・プロジェクト」で採取されたはちみつを使った「はちみつプリン」を販売している洋菓子店へ。人数分のプリンを購入し、そこでも短い時間でしたがインタビューをおこない、江古田でとれたはちみつを使った商品を開発・販売するようになった経緯を聞くことができました。

 

はちみつプリン(1)

【毎日数量限定の「はちみつプリン」】

 

次は、もう1つのテーマである「練馬の農業」について、キャベツ栽培を取り上げるため西武池袋線で石神井公園へ。この辺りは区内でもキャベツ畑の多い場所です。ここではJAの視察をおこなった後、公園で「はちみつプリン」を食べつつ一息ついて、最後に練馬区立石神井公園ふるさと文化館へ行きました。キャベツが主流になる前に栽培されていた「練馬大根」の生産やその加工品であるたくあんの製造過程、そしてその当時(1950~60年代)の人々の生活様式について展示の見学と説明を受けてきました。天候にも恵まれ、たくさんの情報を得ることができ、初めてのフィールドワークは大成功でした。

 

キャベツの碑の前で記念撮影(1)

【写真:キャベツの碑の前で記念撮影】

 

今回私が「地域社会と人間」をテーマに設定した背景には、「社会に包含されている人(私)と、人(私)によって構成されている社会」の両方を意図的に認識してもらいたいという考えがあります。ゼミ生たちはこの経験を通して、人々の意識や行動が社会に与えるインパクトと、地域社会の取り組みが個人の意識や行動に与える影響の双方の存在を理解することで、社会学がもっと身近に感じられるようになるはずです。

さあ、ここからは足より頭を使って、得られた情報をどう整理し筋の通ったレポートにしていくかが課題です。夏休み前には素晴らしいレポートが完成するでしょう!

ページトップへ