ニュース一覧ヨーロッパ文化学科・香川檀教授 編『人形の文化史――ヨーロッパの諸相から』が刊行されました

2016.3.31

武蔵大学

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ヨーロッパ文化学科・香川檀教授 編『人形の文化史――ヨーロッパの諸相から』が刊行されました

香川檀 編『人形の文化史――ヨーロッパの諸相から』水声社、2016年

◆本書の概要
人形(にんぎょう/ひとがた)には、人類の歴史と同じくらい長い歴史があります。ひとは太古の昔から、ヒトガタを作ってはそこにさまざまな意味を託してきました。死者の不滅の身体、抽象的な観念の擬人化、あるいは理想の恋人像――。本書は、そうした人形文化の多面的な様相をヨーロッパの文化に探ろうと、人文学部ヨーロッパ文化学科の教員有志10名が、文学、民俗、歴史、芸術など、研究領域を横断するかたちで協力し、執筆・翻訳しました。

◆編者より一言
2014年秋の公開講座『文学と美術からみる人形文化――自動人形(オートマタ)/人造人間(アンドロイド)/球体関節人形』がきっかけで作った本です。ヨーロッパの文化には、精巧な自動人形をつくろうとする情熱と技術の歴史がある一方、そうした自動人形やアンドロイドに恋をする小説が書かれたりします。なぜ人はそのように人形に魅せられ、そしてまた己の似姿をつくるのでしょう。そんな問いから出発して、文化を深く探究することの面白さが見えてくる本だと思います。(香川 檀)

人形の文化史

◆もくじ
■はじめに――人形の水脈系 香川 檀
■第Ⅰ部〈人形幻想〉の根源をさぐる
 第1章 神のかたどり――聖性と呪いの人形文化史 踊 共二
 第2章 民間伝承のなかの人形 嶋内博愛
 第3章 自動人形(オートマタ)から江戸のからくり人形まで 小山ブリジット西村淳子訳)
 付章① 江戸のからくり人形を現代に甦らせる(半屋春光氏へのインタヴュー)
■第Ⅱ部 モダニズム文学にみる人形
 第4章 E・T・A・ホフマン『砂男』と自動人形――小説、バレエ、オペラ 光野正幸
 第5章 人造人間の魂――ヴィリエ・ド・リラダン『未来のイヴ』考 木元 豊
 第6章 中欧の〈宿命的な痕跡〉を刻む人形――グスタフ・マイリンク『ゴーレム』について 桂 元嗣
 付章② フランスの黒人人形と植民地主義――パリ人形博物館を訪ねて(平野千果子
■第Ⅲ部 危機の時代の人形愛
 第7章 マネキンとマリオネット――法という名の糸についての覚書き 小森謙一郎
 第8章 予兆のなかのベルメール人形――ドイツ世紀末からワイマール時代の人形芸術 香川 檀
 付章③ ベルメールの関節人形――衝撃の出会いからの出発(四谷シモン氏へのインタヴュー)
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