自然科学・身体運動科学分野活動ブログ

2022.11.09

  • 国東農業研修

研修後レポート 若菜絵莉 (国東-2022-26)

ブログ投稿者:基礎教育センター 教授 丸橋珠樹(Professor Tamaki MARUHASHI)

 私がこの研修に参加したきっかけは、新たな地で自分を変えたいと強く願ったからだ。2020年から続くパンデミックで、思うように人と関わる事や自分自身が五感を通じて体験するということが出来ていなかった。家の中で誰とも会わずに生活が完結する日々を送る中で、「自分は本当にこのままでいいのだろうか」という考えが頭に浮かび、この研修への参加を決意した。
 
 私はこの研修に参加し、様々な知識を吸収することが出来た。ねぎ農家の長廣さんや里の駅むさしの訪問では、日本の農業の現状や抱えている問題点を学ぶことが出来た。宇佐神宮や松木さんに案内していただいた水路と戦跡の見学では、国東の持つ美しく雄大な自然と現代に繋がる歴史を学ぶことが出来た。国東の美しい景観を目で見て、川の流れの音を耳で聞いて、七島藺を手で割き、国東の素材を使った美味しい料理に舌鼓を打った。五感をフルに使った国東での学びは、とても充実した時間だった。
 
 この研修の中で最も印象に残った学びは「生き方」に関しての学びだ。この研修では、多様な背景を持つ国東の人々に出会うことが出来た。国東や農業に魅力を感じ移住された地域おこし協力隊の方々、暮らしやすい環境を求めて移住された中野さん、そして武蔵大学から国東市に飛び込んだ古谷さん。皆さんに共通していた点は、「自分の生き方を自分で決めている」という点だ。「自分がどこで、誰と、何をして生きていきたいのか」というビジョンを持ち、行動に移すという意思を持った人々との出会いは、今までただなんとなく周りに同調し、敷かれたレールを生きてきた私に大きな刺激を与えた。
 
 中でも私がその生き方に感銘を受けたのは、ウーマンメイクを設立された平山さんだ。平山さんは、前職での辛い経験から女性や母親がいきいきと活躍できる会社であるウーマンメイクを作られた。私がもし平山さんの環境にあったら、他者の無理解にやる気を失ってしまうだろう。しかし、めげずに「自分の生きていく環境を自分で作る」という平山さんのパワーには大変感動した。
 
 私は、国東半島の自然の中での学びを通じて、自分を変えることが出来たと思う。私はこの研修を通じて以前よりも柔軟な考え方を持つことが出来るようになった。研修の中で丸橋先生に「人生は二色、三色ある」と教えていただいた。人間は何歳になっても自分の生き方を見直し、チャレンジすることが出来る。私も「自分は今何がしたいのか」という事を常に自分自身に問いかけ、可能性を諦めないで挑戦してみようと思うことが出来た。大学生という社会に出る前の重要な時期にこの研修に参加することが出来てよかったと思う。
 
 研修では大変なことも少なくなかったが、今は国東や国東のあたたかい人々と出会うことができた自分を幸せ者だと感じる。丸橋先生、松木さん、古谷さん、国東市役所の方々、国東でお世話になった皆さん、そして7人の研修メンバー、本当にありがとうございました。
 
  • 研修メンバーとの最後の集合写真。この研修で結んだ国東や人との縁をこれからも大切にしていきたい。撮影日時: 2022:09:05 14:38:51