自然科学・身体運動科学分野活動ブログ

2022.11.09

  • 国東農業研修

研修後レポート 大久保和花 (国東-2022-28)

ブログ投稿者:基礎教育センター 教授 丸橋珠樹(Professor Tamaki MARUHASHI)

 私はこの研修旅行で様々な人のお話や講話、体験や風景を見て、継承という言葉を主に感じ取れ、その言葉について新しく気づかされた。私は、事前学習レポートで国東市の町おこし、町づくりについて調べた。私が調べたのは主に市長さんのお話や自分が調べてみて関心を持ったこと、パンフレットに書いてあってこれはユニークだと思ったことだった。しかし、その内容は薄っぺらなものだった。今、私はそんな国東市に行ったこともないのに、ただのあこがれと称賛だけで成り立つような内容を調べてきてレポートにして皆様に見せられたものではないなと、今見返すと恥ずかしい。

 今、私はこの研修旅行で国東市や宇佐市に行ってみて、実際に短い期間だが肌で感じてみて、この地域が何を大事にしているか、私達に何を気づかせてくれたのか、この地域ならではの魅力に気づくことができたと個人的に思う。まず、私が行く前に思っていた国東市や宇佐市のイメージは、温かな田舎のイメージで、自然を大事にして、地域の結束が高く、伝統を大事にしているというものだった。ここから私の印象やイメージが変わってきたかまとめることにした。この地域の方々と実際にお話をしてみて、まず行って2、3日目くらいまでに感じたことは、こんな部外者を歓迎してくださって温かな方々だということだった。遠くに住んでいる親せきや祖母の家に帰った時に迎えてくれた印象だった。

 だが、4、5日目になって感じたのは、田舎というのは地域のみんな仲良しというイメージだったが、それは結構都会で孤独な私たちの勝手なイメージで、田舎でも争いは起こるし、受け入れてくれない人もいるし、きれいごとだけではないということだった。だが、それにはその人それぞれの信念があり、決して意地悪ではないということを知った。やり方や生き方、ここの地域でも様々な人がいて、それぞれの人にそれぞれ蓄積された経験や出来事がある。また、例え考えが同じでも、時に相反することはあるし、考えが違ってもお互いの強みを生かし、支え合うこともできる。

 しかし、この地域では、人それぞれのやり方は違っても、次の世代への継承を大事にしている。例えば、自分の子供に自分の家業の良さを伝え、継いでもらったり、全く血の繋がってない人をサポートし、その良さを伝え、お互い助け合うことで継承するなど、農業だけじゃなく、景観や重要文化財など昔からの良さが今も後世に伝わっている。その確固たる証拠として、今全くこの土地に馴染みのない私達にその良さや想いが伝わっている。

 そして、とにかく若い世代に優しかった。若い芽は潰さないし、時に厳しくすることはあっても、それはこの世界で生きる術を教えているのであり、自分のやりたいことに本当に一生懸命になれば応えてくれるといった印象だった。私の主観のようになってしまったが、この研修旅行に来れて私はとても貴重で温かい体験ができた。研修旅行でお世話になった皆様、本当にありがとうございました。どうかお身体にお気をつけて、お元気で過ごしてください。
  • 宇佐神宮本殿への石階段にある夫婦石にて、円陣を組んで絆を深める女子学生たち。撮影日時: 2022:09:05 12:13:03