自然科学・身体運動科学分野活動ブログ

2021.04.02

  • 武蔵One Point自然観察

入学式を待つ新緑の武蔵 (Now 武蔵の自然 No-34)

ブログ投稿者:基礎教育センター 教授 丸橋珠樹

3月22日は卒業式が対面で挙行され、武蔵を巣立っていきました。曜日に関わらず必ず毎年同じ3月22日は卒業式が、武蔵の伝統です。今年は染井吉野の開花が早くて式当日は丁度満開でした。卒業生を送り出すとすぐ入学式です。昨年2020年の春は卒業式も入学式も中止となり、残念なことになってしまいました。あれから一年間が過ぎ2021年の春は、分散とはいえ対面で入学式も実施することとなりました。多くの大学では入学式もなく一年間遠隔授業だった新2年生の入学式典も実施されていますが、武蔵では4月にその計画はないとのことです。

写真01:千川通りの桜並木の桜色と新緑の対比が美しい。撮影日時:2021:03:27 09:18:23
写真02:この並木の大部分はケヤキですが一本違った木が混じっています。探してみてください。撮影日時:2021:03:26 11:12:16
新入学生、そして2年生から4年生までの在学生を迎える武蔵ではまだ桜も咲き残っています。なによりも新緑の美しさ、爽やかさが際立つ春の訪れとなりました。大学正門を入って、8号館と3号館の間はケヤキ並木となっています。木の高さは20メートルを優に超えています。十分な日の光を浴びてすくすくと育っています。100年前の学園創設以来の伝統である「緑を護り育てる」伝統のおかげで沢山の樹木が茂る緑のキャンパスとなっています。

まだ暑くもない季節、蚊もいないので思い切り新緑の季節を楽しんでください。日々散策すればどんどんと移り変わっていく、いわゆる生物季節を目にすることができます。多様な木の花、草本の花が咲き続けていますので、あちこち歩いてみてください。武蔵の特徴の一つはそれぞれの建物が橋で接続されていることです。そのため、目の高さから花をみることもできるという特別な環境となっています。鳥の気持ちを思って花や新緑を観察してみてください。
  • 写真03:卒業式が終わって数日後、千川通の桜が満開だった。正門前の信号を渡るとまだ花が咲いていない樹が混じっていますが、八重桜でしばらくすると咲きます。撮影日時:2021:03:25 15:53:01
  • 写真04:図書館前のすすぎ川、そして、高中の教室棟にかけては3つの桜品種が咲いています。真ん中の傷んだのが染井吉野です。全国的に広がってる腐朽菌で枯れた大枝が整理されてしまっています。撮影日時:2021:03:25 16:04:13
  • 写真05:学生サークルや部室、そして学生生活課が入る大学10号館前の広場は桜並木で囲まれています。撮影日時:2021:03:26 10:16:53
 武蔵を代表する樹、ケヤキについて一つだけ解説しておきます。写真にあるように若葉が広がり始めると花も咲き始めます。小枝のなかで雌花と雄花で咲く位置が違っています。小さな葉がついていない場所にまとめて雄花が付き、雌花は葉柄に一つづ咲きます。満開といっても花弁のほとんど目立たない花ですが、花粉だけは思い切り飛ばします。8号館の空中庭園の床が黄色くなるほど花粉が飛散する年もあります。とはいえケヤキ花粉症というのは、聞いたことがないので安心してください。
写真06:撮影日時:2021:03:26 10:54:22