自然科学・身体運動科学分野活動ブログ

2021.04.01

  • 武蔵One Point自然観察

蜜柑ピールとSDGs (Now 武蔵の自然 32)

ブログ投稿者:基礎教育センター 教授 丸橋珠樹

今、地球の課題を解決する方策としてSDGsが主流となっています。その中の一つに食品廃棄物を減らすという目標があります。春が終わる頃は、夏みかんや甘夏みかんが出回ります。厚い皮をそのまま捨てるのではなく、美味しく食べようと実践しています。武蔵にも果樹園を作って欲しいとの願いを込めて、作成レシピを紹介します。もともとは、学校山林の間伐体験のときにいただいた大量の夏みかん皮を捨てないで利用しようと始めたものです。溶かしたチョコレートを付けて食べると満足の一品です。

■レシピのねらいと概要
加熱は一回だけ、後は砂糖をまぶして砂糖蜜をザルでとりながらの簡単作業で美味しく仕上げるレシピです。歯ごたえを残したい、鍋を使って煮詰める作業は面倒くさいし難しい、簡単に美味しいものを作りたいという手抜き歓迎レシピです。作業途中の砂糖蜜は取っておいた果実と合わせて利用します。火を長く使って蜜を煮詰めるといった面倒くさいことはしないで、ザルで砂糖蜜を切ります。
写真01:蜜柑を6等分して皮は厚めに切る
  • 写真02:皮は水さらし、実は種をとる
  • 写真03:火を通して砂糖をまぶしたところ
  • 写真04:蜜は実に加え、蜜が浸みこんだ皮は乾燥
  • 写真05:日当たりの良い場所で天日干し
■材料
無農薬あるいは減農薬なつみかん 大型5から6個
砂糖1キロ(3回に分けて使用)天火干しの場合にはグラニュー糖のほうが売り物っぽく仕上がる

■手順
1:包丁をよく研ぐ
硬い皮を数百回切るので、作業を楽にするため切れ味を鋭くすることが肝心!
2:夏みかんを6等分し、皮と実にわける。4等分だと皮むきが大変、実をわけるのにも手間がかかる
3:皮を切る。天火干しにするときは少し厚めに切る
4:6等分した果実は、種のあるほうを大胆に切り取り実を取り出す。これに砂糖蜜を加えて果実ジュースを作る
5:皮の水さらしと苦味抜き
切った皮は1日水にさらす。途中3回から4回、しっかりと何度も何度も水中で揉んで苦味と油をできるだけとる。この段階で手を抜くと仕上がりが、苦くなり過ぎることがある。
6:一度だけ吹きこぼす
水から炊いて、沸騰して数分くらいで火を切るくらい。食感を保つため長く煮ないこと。ザルにあけて余熱がとれるくらいまでほったらかす
7:第1回砂糖、ザルでの砂糖蜜切り
手で触れる程度までさめたら、砂糖を300グラムほど入れてまぜる。たくさん出てくる蜜の中に入れたまま数時間程度、甘さがしみこむのを待つ
8:ザルにあけて1時間くらい放置して蜜を切る。この蜜は、みかんの実にくわえる
9:第2回砂糖、ザルでの砂糖蜜切り
蜜が切れたら、また300gほど砂糖を入れてかきまぜ、砂糖蜜が出るにまかせてできれば一晩じっくり漬けておく
10:またザルにあけて蜜をよく切り、蜜は実に追加
11:最終工程 天日干で程よく食感を仕上げる

天気予報で確認しながら、最後の砂糖をまぶすタイミングと干し始め時間を調整する。砂糖をまぶして混ぜたら、ザルにあけたまま強い日光に5時間ほど乾かす。ざる下には砂糖蜜を受ける皿を用意しておくこと。またカラスに狙われないように、アリが来ないような場所かカバーを工夫する。自分好みの硬さに乾いたらタッパに入れて、湿気がこないようにして保管。

以上