自然科学・身体運動科学分野活動ブログ

2021.03.29

  • 江古田ミツバチプロジェクト

12年目の蜜蜂到着

ブログ投稿者:基礎教育センター 教授 丸橋珠樹

江古田ミツバチプロジェクトは2009年から始まったので、今年2021年は12年目となります。大学生4年間でいえば三巡が終わるくらい長く続いています。今年は四群が到着しました。業者さんによると三重県尾鷲で冬越をしたそうです。九州鹿児島は暖かそうに思うけれど、急に寒い日もあったりするので、安定した紀伊半島のほうが良いとのことでした。
一箱には10枚の巣板を入れるスペースがあります。5枚の規模で越冬させ、春からの養蜂を始めるのが安定して良いそうです。輸送のため巣板を釘止めしてあるので、釘を取って昨年の養蜂で残して置いた新しい巣板5枚を追加するのが最初の作業です。元の巣板には赤いラベルを貼って識別しておきます。
  • 写真01:巣箱内で空間が開いていた方向に沢山の巣が造営されていたが、これらは剥ぎ取ってしまう。暖めた蜜刀ですーうと切り取っていく。撮影日時: 2021:03:20 14:32:47
  • 写真02:3号館屋上の養蜂場に今年は四箱が到着し来年の越冬をめざして活動開始。撮影日時: 2021:03:20 14:04:13
  • 写真03: 箱中にできていた蜂の自然巣。撮影日時: 2021:03:20 14:13:36
越冬群では、箱半分だけなので余裕のスペースに蜂が自然の巣を作り始めていました。私たちは人工的な巣板を入れて養蜂するので無駄巣とよんでいますが、この巣の形が自然界での巣板です。箱箱の天井からぶら下がっていたりしますが、自然状態の木の洞などでは巣が何枚も並んで垂れ下がるのです。裏も表も同じの二層構造になっています。まだ盛り上げ途中なのでラグビーボールのような感じです。

強度もあって、最小の材料で最も沢山詰め込むことができる進化です。巣板に蜜を詰めると数キロにもなるので、接着している場所はしっかりと蝋付けしてあります。働きバチが蜜を体内で蜜蝋に変換して体節から蝋片が湧き出てきます。巣の温度36度前後で柔らかくなったのを口を使って継ぎ足していきます。完成した巣房には植物のヤニを塗りつけて強固にしていくので、長く利用した巣はどんどん黒っぽくなっていきます。
  • 写真04:巣箱を開けるときには蜂を落ち着かさせるために、養蜂に独特の道具で煙を入れ、箱を二度トントンと儀礼的に叩いて合図を送る。撮影日時: 2021:03:20 14:25:27
  • 写真05:天井には作られたばかりの淡いクリーム色の真新しい巣がぶら下がっていた。撮影日時: 2021:03:20 14:26:02
巣板の上部に形が分からないくらいに蓋が付いている所(写真の左上あたり)が蜜を蓄えた場所で、その下に一つづつの巣房の形が分かるようになっているエリアが蛹の入っている場所です。沢山のこどもが生育している勢いの良い群れであることが分かります。
  • 写真06:巣板では上部が蜜保存エリアで下部が子育てエリアとに大きく分かれている。撮影日時:2021:03:20 14:33:50
  • 写真07:今年も養蜂をしっかりしていこうとの決意を込めて、作業後に記念撮影。撮影日時:2021:03:20 14:41:11
  • 写真08:学生会員として長く一緒に活動してきた学生さんがコロナ禍のなか卒業式を迎え記念撮影。撮影日時: 2021:03:22 11:53:26