金融学科ゼミトーク

茶野ゼミ:電子マネーが日本をキャッシュレス化する日

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日本国内のキャッシュレス化を実証する研究に挑む

学生 政府は、今後開催される世界的なスポーツ大会や文化の祭典に向けて電子マネーの利用促進を図り、キャッシュレス化を進めています。そこで実際にどの程度普及しているのか、検証しました。その結果、政府が望む状態になるには、さらに促進策が必要なのではないかと考えています。

茶野 たしかにあなたの研究で、電子マネーの浸透によって硬貨の流通量が減っていることが数値で示されました。それだけでも学部生としては高度な内容です。論文の論旨はほぼでき上がっているので、日本社会の特長を考慮した上で、説得性をさらに強くする必要がありますね。

学生 はい。日本はカードの支払手数料が高いことと、一般市民の現金への依存度が高いことがハードルになっています。ATMがあちこちにあり、安全に現金を引き出せる日本では、現金が一番安心という人がまだ多い。

茶野 これは極端な例ですが、ニセ札が横行して現金に信頼性がなくなってしまい、電子マネーが急速に普及した国もあります。

学生 日本ではやはり会計処理が効率的になるとかセキュリティが向上するなど、多様なメリットを訴求する必要があると思います。オリンピックなどで海外からの観光客が急激に増えることを考えると、キャッシュレス化は必須。スマホを使った決済サービスでは手数料を下げたり、ポイントがつくようになっています。各事業者の対応に注目しています。

茶野 Eコマース(電子商取引)系の事業者の動きは、これからさらに活発になるでしょうね。

学生 はい。できるだけ現状を把握して結論部分を補強し、論文を完成させます。
茶野ゼミ

銀行員を志望する私にとってゼミの学びは自信になった

茶野 私のゼミでグループワークを重視するのは、スケジュール厳守、協調性といった社会人に必要な力を身につけてもらうことが目的です。あなたはゼミを通じて自分がどう成長したと感じていますか。

学生 ゼミ長を任せていただいたおかげで、リーダーシップが身についたと思います。

茶野 就職は銀行をめざしていますね。

学生 はい。ゼミで厳しく鍛えていただいたことは、将来に必ず生きると実感しています。

茶野 周りを巻き込む力のある学生は、当初の志望よりさらに上の企業に就職することが多いんです。活躍を期待しています。
茶野 努

About Seminar

主に金融機関のリスクマネジメントを学び、インターゼミ※や学内のゼミ大会にも参加。「ビットコインの価格決定要因」「地方銀行とリバース・ストレステスト」など実践的なテーマを扱っています。

※他大学のゼミと共同で発表を行い、議論する大会。

金融学科
茶野 努 教授
※掲載されている内容は、取材時(2018年度)の内容です。