2019.08.01

Category:メディア社会学科

メディア社会学科 教授 永田 浩三

ドキュメンタリー番組をつくることから学ぶもの

7月も後半に入って、メディア社会学方法論ゼミ(前期)は、作品を仕上げる佳境に入っています。永田ゼミの課題は、ドキュメンタリー番組の制作です。ひとりひとりがアイディアを出し合い、取材をし、作品の企画書を書き、審査。採用されたものに基づいてチームを作り、構成を立て、いよいよ撮影現場へ向かいます。

今回制作が決まったのは、「電気を会社から一切もらわない暮らし」、「高島平の毎日開く子ども食堂」、「運転免許証を返納したおじいちゃん」、「LGBT問題に取り組む新人区議」、「燐光群・役者として生きる」、「高齢化率日本一の村のカフェ」の6本です。

7月7日、「高齢化率日本一の村のカフェ」のチームは、雨の中、群馬県南牧村に向かいました。かつては、こんにゃくや石灰石の鉱山で栄えた村は、3人に2人が65歳以上の高齢者です。そんな村に、4年前、練馬から、加藤有希さんがやってきて、民家を改造し、素敵なカフェを始めました。

学生たちは、その日の定食の準備に追われる加藤さんの様子から撮影を始めました。かつては養蚕をおこなっていた大きな家を改造し、すてきな空間ができました。村のひとたちからもらったボンボン時計が、ゆっくり時を知らせてくれます。ここには別の時間が流れているようでした。

この日は、東京から若者たちがやってきて、廃坑になった鉱山の神社のわきで、ウッドデッキを組み立てていました。村を応援する中で、自分たちが元気になると、ある高校生は語ってくれました。

カフェに村のお年寄りがやってきました。初めてだそうです。学生たちがインタビューをさせていただくと、急な傾斜地で、こんにゃくいもを運ぶことがいかに大変だったかのお話がいっぱい出てきました。

さて、ロケから帰ると編集です。自分たちは何を撮ったのか、チームのみんなできちんとノートに記録します。ラッシュノートと言います。この作業こそが編集のいのちです。ロケ前の構成はすべて否定されます。そして新たに構成を練り直し、完成させていきます。地道で根気のいる作業ですが、そこに発見があり、学びがあります。ちゃんと撮れているもの、撮り逃したもの。喜びと絶望の往復運動の中で、学生たちは大きく育っていきます。しんどいけど、醍醐味を味わえる作業です。

公開の上映会は、9月13日(金)1号館地下の1002シアター教室です。学生たちの成果をどうぞご覧ください。

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