2020.05.18

活動ブログ名:武蔵One Point自然観察

イチョウの雄花と雌花(Now 武蔵の自然 No-04)

銀杏の実は臭いことは皆さんはもちろん知っていて避けることが多いでしょうが、進化の秘密を保つ、素晴らしい植物です。動物のように個体ごとに性、雄木と雌木とに分かれています。雄花は春に咲き、花粉を風に散布させると大量に落下してしまいます。雄木の下には、本当に沢山の雄花が落ちてきます。


3号館前の自転車置き場の入り口付近に、吹き寄せられた雄花。撮影日時: 2020:05:03 10:46:41

 


大量の雄花。撮影日時: 2020:05:03 10:46:58

 

雌木では、小さな実が実り始めています。普通は、花粉を受け取って受精して、だんだん実が大きく熟していくのですが、銀杏は特別な受精方法を持っているのです。まだ、植物の祖先が陸へと進出していなかった途方もない昔の受精方法、液体中を精子が泳ぐ方法を保っているのです。夏を過ぎるころ、この小さな実がもっと大きくなった頃、雌の果実のなかに液体が湧き出し、春に入り込んでこの時をまっていた花粉から精子が泳ぎだすのです。


まだ緑で小さいけれど、進化の秘密を宿している。撮影日時: 2020:05:16 06:22:07

 

明治時代、日本人の平瀬作五郎によって発見された、世界の植物学者を驚かせた大発見でした。精子が発見されたイチョウは今も小石川植物園で見上げることができるので、何かの折に訪ねてみてください。その後ソテツでも同じように精子が作られることが発見されました。

 

植物の進化の歩みを今も残している銀杏とその仲間が最も栄えたのはジュラ紀、今から1億5000万年ころとのことです。裸子植物、銀杏やソテツが陸上で森を作っていました。今生き残っているのは、中国に分布するGinkgo biloba、ただ1種のみとなってしまっています。お寺や神社にご神木として植えられていることが多いため。花ことばは、荘厳、鎮魂、長寿と紹介されていました。

 

お寺や神社でご神木となるほど、大樹で長生きです。有名なものでは鎌倉鶴岡八幡宮の木は、鎌倉幕府の時代からと言い伝えられていました。武蔵にも数多くの銀杏が植えられています。大講堂の傍には旧制中学校の第一期生が植えた木が育っています。写真のイチョウは大講堂と学生生活課のところにある大木です。


しらきじ広場から講堂、左は大学10号館で、多くの部室や剣道場や柔道場、音楽室、ダンス練習場など学生活動のメッカとなっている。撮影日時: 2020:05:03 10:48:11

 

日本の学校には必ずと言ってよいくらい、イチョウが植えてありますし、あの特徴的な葉っぱや秋の黄色は、季節の象徴です。その上、銀杏は茶碗蒸しの具材として、味わい深いものです。高さの計測方法を考えてみてください。最も単純なのは、木のてっぺんまで登ってそこからメジャーを垂らしてみることでしょうが、それはおさるさんでもない限りかないません。登るという単純な方法で計測された世界で最も高い木はアメリカのレッドウッドで、高さ115メートルと少しだったと記録されています。東京都庁(243メートル)の約半分ほどです。この写真の銀杏の高さは、いったいどれくらいでしょうか?構内に戻ることができたら、10号館から観察して高さを決めてみてください。

 


都電の駅から大ケヤキが並木となっている参道を歩くと鬼子母神の大銀杏に出会います。大都会にあって、巨木が連なる雰囲気は不思議な空間です。撮影日時: 2020:05:17 13:55:26

東京都天然記念物に指定されている鬼子母神の大銀杏を訪ねてみました。環境省調査で幹回りは6.36メートル、実測された高さは31.5メートルもあるそうです。言い伝えでは樹齢600年を越えると看板には解説されていました。雄株で、今も勢いがありすっきりと青空に立つ姿は、初夏にふさわしい風情でした。

 

 

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