2019.12.03

Category:ヨーロッパ文化学科

平野 千果子

グローバル化する世界とヨーロッパ

グローバル化が、現代社会のキーワードの一つであることは、いうまでもないでしょう。そして世界の一体化の進展が、逆説的に格差の拡大を生んでもいることもまた、いまでは共通認識だと思います。それはヨーロッパでも日本でも同じです。このゼミでは、「グローバル化する世界」というキーワードから導き出される現代や歴史の諸問題を取り上げています。

 

たとえばヨーロッパの外から、ヨーロッパに到来する人びとをめぐる状況は、多くの学生が関心を寄せるところです。そこにはヨーロッパ列強による植民地支配の歴史もかかわっていますし、20世紀後半の脱植民地化がいかに行われたか、という点も関係してきます。

 

そうしたテーマを考えていくと、ヨーロッパはヨーロッパ外の世界(人びと)をどのように認識しきたのか、という歴史的に大きな問題にも行き当たります。確かにヨーロッパでは、人間の自由や平等、あるいは人権といった、現代に受け継がれる思想が説かれてきました。しかし「普遍的」なそれらの思想が、決してすべての人に平等に適用されてきたわけでないことも事実です。人間の間に「不平等」があるのは当然のことと受け止められてきたのです。ちなみにヨーロッパの外からヨーロッパに来る人たちは、一般に「移民」と呼ばれていますが、授業ではこうした呼称(の是非)について議論することもあります。

 

ものごとには複数の側面があります。そのことに注意しながら、歴史や現代社会を複眼的に捉えるようにする。それがこのゼミの一つの目標です。ゼミの主役は、もちろん参加者一人一人です。他の人の意見を聞きながらみなで議論することで、考察は自然と深まります。このゼミに来る学生たちの多くが、広い視野で世界を見ようとしています。そうした姿勢が、これからの人生を生きていく力につながるでしょう。

 

 

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