2019.09.26

Category:金融学科

金融学科 准教授 中嶋幹

株式投資ゲームを通じて、企業価値研究を実践する

中嶋ゼミでは、企業価値研究を通じて、日本企業の課題であるガバナンスやESG(環境・社会・ガバナンス)の重要性を学びます。2年生を対象とした専門ゼミナール第1部では、前学期に企業金融理論に関するテキストの輪読を行いました。この輪読では、3人ごとの班に分かれて、次の①~③を順番に担当してもらいました。①テキストに書かれている内容を解説する、②テキストを読み込んだ上で質問や疑問を発表する、③採点を行う(①を担当した班が上手に説明できたかどうかや質問・疑問に適切に回答できたかを評価する)。ゼミ生は、それぞれの役割を毎週担当することにより、企業価値を高めるための投資政策や資本政策の理論について理解を深めました。

 

後学期は、前学期に学んだ理論を実践するために、日本証券業協会が提供する「株式学習ゲーム」に参加します。このゲームでは、仮想所持金(1,000万円)をもとに、東京証券取引所に上場する銘柄の実際の株価に基づいて模擬売買を行います。従って、各班は、どのような企業に投資すると所持金を増やすことができるか、どのようなタイミングでいくら売買するかを考えることが求められます。なお、株式学習ゲームにおいては、所持金の総合成績だけでなく、バイアンドホールド銘柄の投資成績も競います。これは、長期投資と短期売買の違いを実感してもらうために設けた独自の運用ルールです。

 

 

後学期第1回目のゼミでは、夏休み中の課題として取り組んでもらった投資戦略の策定結果を発表してもらいました(写真)。PERやPBRが割安な銘柄を中心に投資する戦略、業種を分散し、ベータ値を市場平均に近づけることで安定的な運用を狙う戦略、業種を問わず経営戦略から成長性が感じられる企業に投資する戦略、今後の投資テーマから銘柄選択する戦略など、各班とも熟考の跡がうかがえる発表が行われました。多くの班が注目した投資テーマとしては、5G(次世代通信技術)、オリンピック、増税前の駆け込み需要などがあり、それらの恩恵を受けると考えられる銘柄が取り上げられました。次に、バイアンドホールド銘柄の選定方法をみると、成長性と株主還元の両面に着目した班、安定的に利益を出しやすい事業構造に着目した班、不景気に強い業種からピア比較をして銘柄選択した班、将来性が期待される投資テーマの中から選択した班など、様々なアプローチがみられました。また、投資情報を収集するに当たり、株主総会の動画を参考にした班、会社四季報のスクリーニング機能を活用した班など、ユニークな情報ソースにアクセスする班もみられました。これから半年間、総合成績およびバイアンドホールド銘柄のパフォーマンスを競っていきます。また、自分たちのポートフォリオデータを用いて様々な分析を行うことにより、株式投資の定量的な分析手法の習得を目指します。

ページトップへ