2012.12.12

Category:金融学科

計算で考えるミクロ経済学

今年の専門ゼミ第2部では、世代重複経済という経済モデルを用いて、家計の満足水準(効用)を計算で求める研究をしています。計算といっても難しい微分や積分を使うものではありません。足し算・引き算・掛け算・割り算という四則演算だけを使っています。統計数値を用いることもありません。ですから演算については小学校までの知識で大丈夫です。(計算間違えは禁物ですが・・・)
  今回の吉田ゼミで想定する経済の一部を以下に紹介します。
 
• 経済には1種類の財のみが存在する。
• 毎期新たな個人が100人生まれる。
• 個人は若年期と老年期の2期間を生きる。
• したがってどの期にも老年世代と若年期世代の2世代が共存する。
• どの期にも経済には初期保有量で所得格差が存在している。
• 個人は予算制約の範囲で自らの満足を最大にするように行動する。
 
 
上記のような経済は実際の経済からはあまりにもかけ離れており、これでも有意な分析ができるのでしょうか、との問いも生じるでしょう。しかし経済の仕組みを必須な枠組みだけを残し限りなくシンプルにすることで、複雑な経済ばかりを対象としていては見えない基本的問題点を見つけ出すことができるのです。
 
“Simple is best.”が今回のゼミ研究のモットーです。もっとも簡単化された上記の経済に老人年金と若者への課税、そして政府が発行する国債を導入し、それらの様々な組み合わせごとに個人の満足水準がどのように増減するかを計算で求めます。計算結果から社会保障政策の基本的問題点を見出すことが目標です。ゼミ生は意外な結果に驚いたり、または当然の結果に改めて納得したりと、計算結果が出るまでのワクワク感を楽しんでいます。
 
これらの研究成果は毎年 12月に行われる武蔵大学恒例のゼミ大会で発表されます。優勝を目標に今年もゼミ生全員が全力で頑張っているところです。審査員に私たちの研究の意義を理解してもらえるよう、また、この問題について事前の知識がないと思われる聴衆にも研究の面白さを知ってもらえるよう、プレゼンテーションの準備にも余念なく取り組んでいます。
 
教師としては、たとえ優勝を勝ち取れなくてもそれを目標にがんばる過程でゼミ生それぞれが潜在能力を発揮し今後の自信に繋げてくれることを期待しているところです。
 
 
金融学科 吉田真理子

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