社会学部ゼミブログ

2015.02.24

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「卒論のテーマが決まりません!」石森ゼミ

ブログ投稿者:社会学科 准教授 石森大知

石森

社会学科の石森ゼミでは、地域社会の文化や環境に配慮しつつ、望ましい観光や開発、まちづくりなどのテーマを学んできました。今回のゼミブログでは、卒業論文のテーマ設定に関することで書いてみようと思います。

卒業論文のテーマ設定で悩む学生は多いです。学生のみなさんにはおおいに悩み、その過程で色々と学んでもらいたいと思います。ただ、「先生、卒論のテーマが決まりません!」という学生のなかには、たんなる勉強不足の場合もあるようです。卒業論文のテーマを定め、具体的な問題設定を行うためには、先行研究をじっくりと検討しなければなりません。そのさいには、学術論文や書籍等を読み、それらに対する自分なりの見解をもつ必要があります。もちろん自らの経験から出発しておおよそのテーマを構想することは可能ですが、それでもやはり論文や書籍等を読まない限り、テーマは具体化していきません。

また、テーマ設定に関連して「自分のオリジナリティをどこで出すか」について悩んでいる学生もいました。この学生は「自由な発想こそがオリジナリティ」と考え、何から手を付けていいのか困っているようでした。それも間違っているとは思いません。しかし、論文のオリジナリティは、自分ひとりで自由に考えるというよりも、先行研究との兼ね合いで決まる部分が大きいと言えます。なぜなら、オリジナリティを含め、論文の学問的な意義は先行研究の批判的な検討をとおして証明されるものだからです。そのため、先行研究をきちんと勉強しない限り、オリジナリティも語れないことになります。

以上のような紆余曲折を経ながらも、みなさん、自分たちなりにテーマや問題の設定をおこない、2014年12月には卒業論文を提出することができました。その後、各自が提出した卒業論文の講評会をおこなうとともに、口述試験の対策を実施しました。みなさん、おつかれさまでした。