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2024.05.08

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イスラーム信頼学シンポジウム「人類学者ガッサン・ハージとイスラエル/パレスチナ問題をめぐる言論・学問の自由──「反ユダヤ主義」言説を問い直す」にヨーロッパ文化学科 小森謙一郎 教授が登壇(5/13)

ヨーロッパ文化学科 小森謙一郎 教授が、5/13(月)に慶應義塾大学三田キャンパスで開催されるイスラーム信頼学シンポジウム「人類学者ガッサン・ハージとイスラエル/パレスチナ問題をめぐる言論・学問の自由──「反ユダヤ主義」言説を問い直す」に登壇します。

国際的に広く知られる人類学者ガッサン・ハージ氏は、2023年、オーストラリアからドイツのマックス・プランク研究所に拠点を移して新たな研究を開始していましたが、同年10月以降のパレスチナ・ガザにおけるイスラエルによる民族浄化/ジェノサイドの激化に対して批判的な発言をしたことにより、同研究所の職を解雇されました。

 

本件は、多文化的・マルチエスニックな人類社会の在り方に関して非常に重要な問題提起をしてきた研究者に対する、驚くべき対応がドイツという国においてなされた点で衝撃的です。

 

のみならず、イスラエル/パレスチナ問題をめぐるこれまでの国際政治の暗部を明るみに出し、言論の自由を通じて学問が人類社会に貢献する可能性を、他でもない西欧社会が著しく毀損していることもあぶりだしました(ドイツのみならずフランスも含めて、例えばジュディス・バトラー、マーシャ・ゲッセン、ナンシー・フレイザーについて、また米国ではハーバード大学等の学長をめぐって、同類の問題が起こっています)。

 

本件は世界的な反響を呼んでいますが、日本国内では一部の研究者以外には広く知られているとは言えない状況にあります。そこでハージ氏の著作・研究を日本に紹介する中心的な役割を果たしてきた社会学・人類学研究者と、ヨーロッパ思想史・東アラブ地域研究の研究者とがこの問題について議論します。

 

私たちが国際政治の現実のみならず、学術・研究一般の次元においても、極めて重要な岐路に立っているとの危機感を共有し、今後の針路を考えるためのシンポジウムです(小森教授は4人の登壇者のうち3番目に登壇します)。

 

 

なお、ハージ氏の著作には『ホワイト・ネイション──ネオ・ナショナリズム批判』(平凡社, 2003)、『希望の分配メカニズム──パラノイア・ナショナリズム批判』(御茶の水書房, 2008)、『オルター・ポリティクス──批判的人類学とラディカルな想像力』(明石書店, 2022)などの邦訳があります。

日時: 2024513日(月) 1830分~2030

会場: 慶應義塾大学三田キャンパス 南校舎2421教室(定員150名・先着順、Zoomウェビナー配信あり)

参加費: 無料

要事前登録: 下記のWebサイトからお申込みください(オンライン参加の方には、前日512日にZoomウェビナー情報をお知らせします)

https://connectivity.aa-ken.jp/activity/2014/