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人文学部
人文学部 : アメリカ文学演習(新井 景子)
投稿日時: 2009年11月2日

今年度のアメリカ文学演習では、Willa CatherのMy Ántonia(1918)という小説を丁寧に読み進めています。Catherは自分の育ったアメリカ中西部を舞台に移民開拓者の生活を多く描いた女性作家です。My Ántoniaの冒頭では、10歳の少年ジムが東部から中西部ネブラスカ州に越してくる道中、どこまでも広がるプレーリーに驚く場面が描かれます。例えば、次のような一節をご覧下さい。

There was nothing but land: not a country at all, but the material out of which countries are made. [. . .] I had the feeling that the world was left behind, that we had got over the edge of it, and were outside man’s jurisdiction.

どこまでもどこまでも続くプレーリー。人間社会を後ろに置いてきてしまったような、吸い込まれてしまいそうなくらいの大自然は、まさにアメリカの原風景ともいえるでしょう。丁寧に文章を読み解くことを通じてこのような風景を味わうことも、文学演習の醍醐味です。
 授業では、1回に2~3章ずつ、担当者の発表を中心に進んでいきます。発表者は各々1章を担当して、章の梗概、語句の注釈、重要な点についての考察を発表し、それからゼミ全体で重要な場面についてディスカッションをします。同じ1つの場面でも、それぞれ読み方・感じ方が違いますので、お互いの意見を話し合うことで「そういう読み方もあるのか」と作品が豊かに広がっていきます。原書を1冊読み通すということで、皆さん最初の頃は英語を読むことに苦労もしていましたが、だんだんと慣れてくると、登場人物に親近感が沸いたり、またテクストの表面に書かれていないことを読み取ったりと、作品分析も深くなっています。また、小説の読解に加え、文学作品の背景となるアメリカの社会状況(移民政策や「西部」のイメージなど)についても調べることで、理解が深まりつつあるのではないかと思います。受講生からは「翻訳がない英語テクストを読むので、英文読解力がつきます。英文読解力をつけたい人はぜひ。」との声もあります。アメリカ文学演習では、毎年異なる小説を取り上げていきますが、これからも原文の言葉一つ一つを大切にしながら、作品を丁寧に読み解いていくことを大事にしていきたいと考えています。

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写真1:My Ántonia

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写真2:アメリカ・ネブラスカ州 Willa Catherの故郷近くのプレーリー(2007.8. 新井撮影)