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集中実験

自然科学集中プロジェクトB 集中実験

ねらい

自然科学の実験や観察では、集中的に時間を費やすことで質の高い情報を得ることが出来ます。通常の大学の授業では90分という単位でひとまとまりの事柄を学んでいく訳ですが、この枠組みでは学ぶ内容や質にどうしても限界があります。時間の制約を解くことでより高度な内容をより分かり易い形で学ぶ場が提供できないかという所から、この科目は始まりました。

通常の科目は90分の授業15回で構成されています。全体では22時間30分ということになります。この与えられた時間を集中的に使って行くことで、90分の枠では実施し得ないような実験・観察をする。準備や企画、まとめなどにも有効に時間を使い、通常の授業科目では構成出来ないような高度な内容に挑戦する。この理念は自然科学集中プロジェクトAにも共通しています。ただし、自然科学集中プロジェクトAはフィールドワークを主体とするのに対して、自然科学集中プロジェクトBは実験室での実験を中心としています。これは、自然観察と実験という一見すると異なる手法が、自然科学の方法論となっていることを意識してのものです。

最近のプロジェクト内容

2011年度および2012年度は「草木染」をテーマに集中実験を実施しました。草木染は古代から伝わる天然染料を利用した染色の技法です。植物などが含む色素を抽出して染料に用いる染色の世界では伝統的な方法です。抽出の対象となる植物、抽出条件、繊維との組み合わせ、染色条件、媒染剤などの様々な要因が関与して、染色プロセスが進行します(図1、2)。それぞれの条件を変えることで、多様な色を出現させることが可能です。

どのような条件を選べばどのような色調をみせることになるのか。どのような法則性があるのか。物質にはどのような変化が起こっているのか。逆にある特定の色調を出現させるためにはどのような方法があるのか。同じような実験でもその興味の置き方で展開は変って来ます。履修者はまず解くべき問題を見つけ出すことからスタートします。その問題を解くために、与えられた時間の中でどのようなことを行うべきなのか。実験をどのように編成するのかにも様々な工夫が必要になって来ます。この2年間では、媒染剤の種類と色調との関係、繊維との組み合わせなどが主なテーマとなりました。現在、大きな課題となっているのは、色調の相違をどのように表現するのかという点です。化学の世界では可視光線の吸収強度が光の波長に対してどのように変化するかということで、色の違いを表現します。しかし、肉眼で感じられる色調の違いは微妙であり、光の吸収強度の波長変化(吸収スペクトル)との対応関係は未だクリアではありません。こうした次の課題が明確になって来ることもプロジェクトの成果の一部でしょう。

自然科学の考え方や方法で生活の中で利用して来た現象をどのように説明して行くのか科学と生活との係わり合いを理解する上でもプロジェクトスタイルの実験科目は他の科目に無い体験を提供してくれます。2013年度はペットボトルを利用したロケットの製作など、また別の内容が予定されています。詳しくはシラバスをご覧下さい。

コチニール色素による草木染

図1.コチニール色素による草木染

タマネギの皮の色素による草木染

図2.タマネギの皮の色素による草木染
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