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スペイン語学習の手引き

2004年秋のアメリカ合衆国大統領選挙、白熱した戦いも終局に近づいた投票日直前に熱弁を振るうブッシュ、ケリー両候補のスペイン語は、アメリカ人にありがちな曖昧な母音ではなく、簡潔明快な発音に一歩近づいたものでした。勝敗のカギを握る最大のマイノリティ、ヒスパニック系の人々にスペイン語で直接訴えようとする努力の跡がうかがえました。2012年に再選されたオバマ大統領のスペイン語はもっと自然で上手です。
今や合衆国大統領の必修科目となったスペイン語とはどんな言語なのでしょうか。その世界を少しのぞいてみましょう。

スペイン語を話す地域

スペイン語は英語、フランス語、ロシア語、中国語、アラビア語とともに国連公用語の一つとされています。また地球の総面積の約9%の土地で総人口の約6%に当たる4億2000万人の人々に公用語として使用され、中国語に次ぐ世界第2位の言語です。
スペイン語を公用語とする国々は、スペイン、ラテンアメリカ18か国、アフリカの赤道ギニアなど20か国、約4億2000万人がスペイン語を母語として使っています。ただしスペイン本国に限れば、スペイン語の使用人口は約4300万人です。

さらに公用語とされていない地域、たとえばドイツ、ベルギー、スイスやフィリピンなどにもスペイン語を使用する人々が多数存在します。なかでも群を抜いているのがアメリカのヒスパニック系で、その数はおよそ5400万人に上ります。

ラテンアメリカ:南北アメリカ大陸の国々がスペイン語を使用するのは、コロンブスがこの大陸に到達した1492年以来19世紀前半に至るまで、300年以上もスペインの植民地になっていたからです。ブラジルはポルトガル語ですが、これはスペインとポルトガルという大航海時代の2大国が1494年に条約を結び地球を縦半分に分け合ったとき、その分割線がブラジルのちょうど西側を通り、ブラジルはポルトガル領となったためです。

ヒスパニック系:ヒスパニックの5400万人はアメリカ総人口の 16.3%に当たります。いまやアフリカ系を上回る最大のマイノリティで、さらに2050年には全人口の24%にも上るものと予測されています。なかでもチカーノと呼ばれるメキシコ系は最大の勢力で、彼らは伝説の父祖の地、つまりアステカ族の故地であり不法な戦争で奪われたと主張する合衆国南西部のカリフォルニア、テキサス、アリゾナなどに広く住んでいます。またフロリダ州にはキューバ系の住民が多く見られます。もちろんニューヨークにはラテンアメリカのさまざまな国から来たラティーノや、『ウェストサイド物語』で有名なプエルトリコ系など、スペイン語を母語とする多数の人々が居住しています。

このように広範な地域で使用されているスペイン語ですが、イントネーションの変化や地域独特の語彙がわずかに見られるだけで、統一性が保たれており、相互の理解にまったく問題はありません。

スペイン語を学ぶ意義

スペインはポルトガルと並び16世紀に日本が初めて交流を持ったヨーロッパの国で、いわゆる南蛮文化を伝えました。パン、タバコ、カステラ、おじや、カナリヤなどスペイン語起源の日本語がたくさんあります。
また、スペインといえばかつては闘牛とフラメンコのイメージでしたが、1992年のバルセロナ・オリンピックを機にガウディ、ピカソ、ダリ、ミロ、さらにさかのぼってゴヤ、ベラスケス、エル・グレコなどの素晴らしい芸術家を輩出した国、あるいはドン・ファン、ドン・キホーテ、カルメンなど世界中で知られている人物像を生み出した国として注目されるようになりました。

タム川に囲まれたトレドの街。中世、キリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒が共存していた。

タム川に囲まれたトレドの街。中世、キリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒が共存していた。
ヨーロッパの西端、南隣りはアフリカで、さまざまな民族と文明の十字路として、異文化の共存と迫害を経験してきました。また大航海時代を経て、アメリカ世界とも深い関わりを持っています。もちろんレアル・マドリードをはじめとするサッカーも忘れられません。 スペイン語を学ぶことで私たちは時間、空間を超えた広い世界に羽ばたくことができます。スポーッやバルでの飲食の楽しみとともに!

マドリードの夜景

マドリードの夜景

スペイン語の特徴

スペイン語の起源と歴史
スペイン語はスペイン共通の公用語ですが、実はスペインにはこの他にもカタルーニャ語、ガリシア語、バスク語と、地域ごとに公用語があります。スペイン語は別名カスティーリャ語ともいわれ、北部のカンタブリア海沿岸から南部地中海沿岸のアンダルシアに至るイベリア半島の中央部で広く話される言葉です。
スペインはかつてローマ帝国の属州でラテン語が使われていました。スペイン語はこのラテン語を祖先とするロマンス系言語の一つで、イタリア語、フランス語、ポルトガル語、ルーマニア語などと姉妹関係にあります。首都ローマから遠い辺境の地にあったため、ラテン語文法の要素があまり崩れず残っている、ちょっと古風な味わいの言葉です。

ラテン語のほかにギリシャ語やゲルマン語も入ってきていますが、特に重要なのはアラビア語の影響です。スペインは8世紀初めから15世紀終わりまで800 年間イスラム教徒の支配下にありました。このためスペインの文化は独特の色彩を持っているのですが、言葉の上でもアラビア語起源の単語は4000以上もあるといわれています。

サクラダ・ファミリア

発音と表記

スペイン語の辞書にはふつう発音記号が出ていません。あるいはカタカナで発音が示されています。スペイン語は綴りと発音がほぼ一対一で対応していて、ローマ字とほとんど読み方が同じだからです。また母音もアイウエオ(aiueo)の5つで、微妙な違いはあるものの日本語にとても似ています。 たとえば、
estudiante (エストゥディアンテ)「学生」
universidad (ウニベルシダッ)「大学」
historia (イストリア)「歴史」
arte (アルテ)「芸術」
español  (エスパニョール)「スペイン語・人」
japonés  (ハポネス)「日本語・人」
norteamericano (ノルテアメリカーノ)「アメリカ人」
最後の「アメリカ人」は、アメリカではnautay americanoと同じ読みかただと教えられます。スペイン語の発音はやはり日本人のほうがアメリカ人よりずっと上手です!

アルファベットの読み方

「スペイン語は神と話す言葉、女性と話すにはイタリア語、男性と話すにはフランス語」とは、16世紀、絶頂期の大スペイン帝国の皇帝カルロス5世の言葉です。 巻き舌など発音自体に注意のいるものをいくつかと、綴りの規則を少々覚えれば、もう明快簡潔なスペイン語の響きの世界に入れるのです。
A
[アー]
B
[ベー]
C
[セー]
D
[デー]
E
[エー]
F
[エフェ]
G
[ヘー]
H
[アチェ]
I
[イー]
J
[ホタ]
K
[カー]
L
[エレ]
M
[エメ]
N
[エネ]
Ñ
[エニェ]
O
[オー]
P
[ペー]
Q
[クー]
R
[エレ]
S
[エセ]
T
[テー]
U
[ウー]
V
[ウベ]
W
[ウベドブレ]
X
[エキス]
Y
[イグリエガ]
Z
[セタ]

文法の基本

(1) 動詞を見ると、いつ誰が何をする(した)かがわかります。
   Soy estudiante. は学生です。
   Somos estudiantes. たちは学生です。
   El tango  nació en Buenos Aires. タンゴはブエノス・アイレスで生まれた
   ¿Dónde naciste? きみはどこで生まれたの?
   このように動詞には時制と人称・数による変化があります。
(2) 文法上の男性・女性の区別があります。
   el hombre alto 背の高い男性
   la casa blanca 白い
   名詞だけでなく、形容詞や冠詞まで相応に変化します。
(3) 単数と複数の区別があります。
   Mi padre es profesor. 私のは先生です。
   Mis padre sestán muy ocupados. 私の両親はとても忙しい。
(2)と同様に数の一致が見られます。
スペイン語の文法構造は規則性を保ったしっかりしたものなので、比較的少数の基本事項を覚えればその応用範囲は広いものです。

アンダルシア地方のひまわり畑

アンダルシア地方のひまわり畑

日常表現

Buenos días. (ブエノス ディアス)「おはようございます」
Buenas tardes. (ブエナス タルデス)「こんにちは」
Buenas noches. (ブエナス ノーチェス)「こんばんは。おやすみなさい」
Hola. (オラ)「やあ」
¿Qué tal? (ケ タル)「元気ですか?」
Muchas gracias. (ムチャス グラシアス)「どうもありがとう」
Adiós. (アディオス)「さようなら」
Hasta mañana. (アスタ マニャーナ)「また明日」
Un café, por favor. (ウン カフェ、ポル ファボール)「コーヒー1杯ください」

辞書と辞典

辞書

西和辞典
・『現代スペイン語辞典』(白水社)

 語数4万5000語、かなりくわしく丁寧。
・『プログレッシブ・スペイン語辞典』(小学館)
 語数2万5000語、発音表記、和西付き。
・『プエルタ新スペイン語辞典』(研究社)
 スペインやアメリカの新しい表現あり。
・『西和中辞典』(小学館)
 語数6万7000語、用例も豊富で読んでも楽しい。
・『パスポート・初級スペイン語辞典』(白水社)
 語数9000語、初心者用。

辞書

和西辞典
・『和西辞典』(白水社)

 見出し語3万5000語
・『クラウン和西辞典』(三省堂)
 見出し語3万語

電子辞書

電子辞書
・『SII(現代スペイン語辞典/和西辞典/西英・英西辞典)』(セイコーインスツル)
・『EX-word(現代スペイン語辞典/和西辞典)』(カシオ)

ハンドブック

参考書
・『改訂・スペイン語の入門』瓜谷良平著(白水社)
・『現代スペイン語講座』岡田辰雄著(芸林書房)
・『スペインハンドブック』(三省堂)

インターネットのスペイン情報

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