2016.05.19

Category:社会学科

社会学科 准教授 安藤丈将

Are you 「シティ・ファーマー」? 安藤ゼミ

春です。種をまいていますか。耕していますか。

私のゼミは、「食と農のカルチュラルスタディーズ」をテーマにしています。今年の3年生は、世界各地の都市農業者について書かれた、ジェニファー・コックラル=キング『シティ・ファーマー』(白水社)を読むことから始めました。

 

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都市農業に、どんなイメージを持っているでしょうか。リタイアした年配の方の趣味的なものというイメージを持っている人も多いかもしれません。そんなイメージを裏切って、この本に出てくる「シティ・ファーマー」たちは、性別、年齢、国籍、肌の色、目的、様々です。

都市農業には、自治体やJAの管理する市民農園のようなものもあれば、ベランダや屋上のプランター菜園のようなものも含まれます。東京23区内にある武蔵大学でも、教職員で構成される「武蔵キャンパス・ファーム」、学生サークルの「野良塾」、地域の方も参加している「江古田ミツバチプロジェクト」といった農に関わる活動があり、「シティ・ファーマー」は、身近なところにもいます。

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(武蔵キャンパスファーム 撮影:丸橋珠樹先生)

「シティ・ファーマー」の急増の背景として、本の中では、食をめぐる危機的な状況が挙げられています。先進国と途上国の不平等、大企業の市場支配、環境破壊、資源の枯渇、小生産者の苦境、健康被害、貧困、人種問題。これらは、食と農の領域だけでなく、現在、私たちの社会のあらゆる領域で直面している問題です。食と農のカルチュラルスタディーズでは、食べ物とそれをつくり出す農という暮らしに身近な対象から社会の病のありかを考えます。

私たちは、食べることなくして、生きることはできません。食べることは、生きることに深く関わっています。それだからこそ、「シティ・ファーマー」のような、食と農から現代社会の病を癒やそうとする人びとの営みには、楽しく、正しく生きるためのヒントが溢れています。生きづらい世の中を、もっとよく生きるために、今日も食と農を学びます。

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