2017.09.19

活動ブログ名:国東農業研修

2016年国東研修(17)元宮磨崖仏・真木大堂・朝日観音・夕日観音

9月4日の午後にまず向かったのが元宮磨崖仏だ。磨崖仏とは自然の岩壁や大きな岩などに彫刻された仏像のことを指す。この元宮磨崖仏は、向かって右から毘沙門天(びしゃもんてん)・矜羯羅童子(こんがらどうじ)・不動明王(ふどうみょうおう)・持国天(じこくてん)・声聞形尊像(しょうもんがたそんぞう)の五体がある。今は欠落しているが、不動明王脇侍制多迦童子(わきじせいたかどうじ)が不動明王と持国天の間にあり、全てで六体が彫られていた。河野先生のお話によると、この磨崖仏はプロではなく何人かの彫刻が上手なお坊さんが彫ったとされているらしい。

 

また、河野先生は屋根があったと思われる穴が岩壁にあることや、床が下にあることなどを一つずつ示しながら教えてくださった。磨崖仏の他にも、およしの像という手前にあるお地蔵さんが、かつて盗まれたが一週間もしない内に戻ってきたというお話。岩壁の左奥の方に見えるくぼみのような部分は、以前はゴミ捨て場のようになっていたが、よく見ると屋根の形が見え、指掛けのようなものがある建物が建っていたのだろうというお話を聞いた。国東半島には、この他にも熊野磨崖仏などたくさんの磨崖仏がある。チャンスがあればぜひ行ってみてほしいと河野先生はおっしゃっていた。

 

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元宮磨崖仏。岩壁に穴が空いているのがはっきりと見てとれる。撮影日時: 2016:09:04 14:17:52

 

元宮磨崖仏の後に向かったのは、真木大堂だった。真木大堂の収蔵庫内には、本尊阿弥陀如来坐像、不動明王立像、大威徳明王立像、二童子立像、四天王立像の九体の像が収められている。本尊阿弥陀如来は、守護神である四天王と共に困った人たちを救ってくれる仏様である。不動明王は、二童子を従え、悪いことをしたやつを持っている縄でしばり剣で切ろうとする恐ろしい仏様で、目を上下に向けて天地を見ている。大威徳明王は、水牛に乗っていて、六つの顔を持っている。河野先生の意見としては、大威徳明王立像の水牛は、水牛にしては角が水平でないということだった。私も、後から水牛の写真を調べてみたが、確かに水牛の角の形として忠実に再現されているとは言えないように思った。その大威徳明王立像に関することで、昔水牛の後ろの穴から水牛の中に入ってしまい出られなくなった子供がいたという話をきいた。昔のこのあたりは、野ざらしに近いような状態で、子供たちが牛に乗ったりして遊んでいたのだという。また明治時代には、地元の者ではお金もなく管理できないということで、像を売ったことがあったという。しかし、運ぶ手段もなくトンネルも通らなかったために、買い取った人はここに無償で再び置くことを許してくれたそうだ。

 

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収蔵庫に入る前に、河野了先生からそれぞれの仏像について教えていただく。撮影日時: 2016:09:04 14:36:42

 

河野さんに教えていただいたとおり、座って阿弥陀如来様と目を合わせてから、以前像がしまわれていた旧本堂へ向かった。旧本堂には木造の仁王像があり、また現在収蔵庫にある像がどのように置かれていたのか分かるようになっていた。仁王像は横から見ることによってパーツが分かれているのが見て取れ、収蔵庫にあった一木造りとは違った造り方を間近で見ることができた。それにしてもあの大きな像すべてが、この小さなお堂に入っていたことにとても驚いた。
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旧本堂にある仁王像。横から見ると、パーツが分かれているのが見える。撮影日時: 2016:09:04 15:03:33
真木大堂を後にすると、4日目の最後の目的地である朝日観音・夕日観音を目指した。朝日観音からは朝日が見え、夕日観音からは夕日が見えるという。目的地に着いて車から降り、朝日観音と夕日観音へ向かう道を示された時はとても驚いてしまった。言われなければ見逃してしまいそうな看板と、思った以上に険しい山道を連想させる鬱蒼とした山が見えたからだ。学生たちだけで行っておいでと言われ、少し尻込みしながらも山に入った。最初に歩く人は蛇対策のために枝で地面をたたきながら進んだ。階段があっても段差がきつく、人が通らないためか草が生い茂り、私にとってはなかなか大変な道のりだった。先に向かったのは夕日観音岩屋で、そこからは田染を一望できた。見渡す限りの山と田、そこに集落があり、緑豊かな光景はまさに絶景といえるものだった。その後、夕日観音岩屋から更に登ったところにある朝日観音も拝観し、山を下り河野先生のもとへ向かった。

 

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朝日観音と夕日観音を目指す山の中。竹と木々が生い茂っている。撮影日時: 2016:09:04 15:40:54
最初は想像より厳しい道のりに驚いたが、登ってみると大変であっても決して無理な道のりではなかった。少しの頑張りで観音様のいる二箇所に行くことができ、程よい達成感を得られると考えれば、人と観音様の距離として丁度よい道のりなのかもしれないと思った。
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先に着いた夕日観音岩屋からの景色。思わず見惚れてしまう。撮影日時: 2016:09:04 15:48:06
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続いて到着した朝日観音岩屋。木で作られ雨風にさらされているせいか、お顔がはっきりしない部分も。岩屋の木の部分にはちょっとした装飾も。撮影日時: 2016:09:04 15:50:10

 

 

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