2016.02.01

Category:経済学科

経済学科 准教授 杉本 伸

受け継がれる「やる気」-縦割りゼミの効用

杉本専門ゼミ(2年~3年)は、縦割りゼミと呼ばれている形式をとっています。武蔵大学経済学部のゼミは、専門ゼミが各学年別に開講されていることが多いので、2年生だけのゼミ、3年生だけのゼミというのが一般的です。これに対して、私のゼミは、2年生と3年生をひとまとめにして、それをAゼミとBゼミの二つのゼミに分けて運用しています。私の場合、「IT経済学」と「現代資本主義経済論」というかなり異なる二つの専門分野を持っていたため、それらをそれぞれAゼミとBゼミのテーマになっています。

 

この縦割りゼミの効用はとても深いものがあります。まず、先輩と後輩が一緒になって活動するので、上級生(3年生)は指導力や組織をまとめる力を、下級生(2年生)は上級生から調べ物の初歩からプレゼンやパワーポイントのノウハウまでいろいろな知識やスキルを学び取ることができます。教員が教えられることなどは限られているので、プレゼンの効果的方法やパワーポイントの具体的な作り方などはむしろ先輩が経験をもとにして後輩に伝授した方が効果的です。

 

また、AゼミとBゼミそれぞれに独自の文化が生まれ、それが受け継がれていくのも縦割りゼミの特徴です。AゼミはITという変化の早い技術をもとにした経済の発展をテーマにしているため、最先端のさらに先を考えるときには、まだ誰も考えていないような「夢の世界」を語ることになり、そのことがAゼミの文化になっています。そのため、ゼミの雰囲気も自由闊達で賑やかです。一方、Bゼミは現代資本主義における問題点を「雇用」「中小企業」「農業」などの分野で解決することを目指しているので、「夢を語る」というより、どちらかというと地に足を付けた実現可能な解決策を模索することが多いです。そのため、「地道な研究」というのがBゼミの特徴になっているとともに、同じ研究グループの間での先輩後輩の人間関係が何代にもわたってとても緊密です。でもそれ以上に、私が意義深いと考えているのが、先輩から後輩に「やる気」が受け継がれていくことです。

 

ゼミ大会で発表するゼミ生たち

ゼミ大会で発表するゼミ生たち

 

杉本専門ゼミも、今年で18年になりますが、そもそもの始まりであった1期生がとても熱いゼミ生たちで、私の予想を超えたすばらしい活動をしてくれました。そして、2期生以降のゼミ生たちは先輩のようになりたいと毎年願って活動をしていくうちに、気がつくと「やる気」が受け継がれるすばらしいゼミになっていました。学生というのは、先生がやる気を出せと言ったってそう簡単にやる気を持つようにはなってくれません。でも、目の前にいる先輩がやる気を出してがんばっている姿を見ると、後輩も自然とやる気を持つようになります。このようにやる気が受け継がれ、それによってゼミ生が成長していき、やがて就活や社会に出てからも活躍する姿を見ることが教員として何よりも幸せだと感じます。

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