税理士への
スタートラインに立つ、
勝負はこれから

経済学部・経営学科 4年
須藤 ほのか
2020年4月入学

#経済学部 #進路・就職 #大学院生

4年次に税理士試験の「簿記論」と「財務諸表論」に合格されたと伺いました。受験しようと思ったきっかけは何ですか?

入学当初から、在学中に何かしら自分の強みになるスキルを身につけようと思っていました。その中でも税理士を選んだのは、出身の商業高校で学んでいた会計の知識を深めたいと考えたからです。税理士の資格は1科目からでも受験でき※、取得後の期限がないことから挑戦しやすいのではと思いました。
※税理士試験合格には会計学2科目(必修)、税法3科目(選択)の取得が必要です。科目合格制がとられているので一度に5科目を受験する必要はなく、1科目ずつ受験してもよいことになっています。

勉強はいつ頃から始め、どのように進めましたか?

2年次の5月から予備校に通いながら勉強を始めました。大学・予備校・アルバイトの両立だったため、1週間分のスケジュールを時間ごとに分けて管理していました。現在も、大学の講義やアルバイトなどの固定されている時間と空き時間を明確にすることによって、時間を有効に使えるように意識してスケジュールをたてています。
また、外で勉強する方が集中できるため、図書館や予備校の自習室、カフェなどを利用してモチベーションを保ち、家では自由に過ごしてOK、とオンとオフを分けていました。現在は「消費税法」の勉強に取り組んでおり、次の試験で取得するのが目標です。

試験勉強で大変だったことなどがあれば教えてください。

私は、小学生の頃からバドミントン漬けの毎日だったため、他の人と比べて勉強の経験値があまり無いなと感じていました。そのため、先ほどお話ししたスケジュール管理や自分に合った勉強方法を身に付ける所から始めました。予備校の授業は多い時には週4回あり、毎回テストもあったので授業の復習とテスト勉強を同時にこなすのが大変でした。税理士試験は年に1度しかチャンスがないため、プレッシャーと闘いながらこの勉強法は正しいのかと方法を変えてみたり、予備校の先生に分からないところを質問したりしてチャンスを確実に掴めるように努力しました。
試験が近くなると、図書館が開く9時から閉館の21時まで図書館の机に向かい勉強をしました。絶対に受かりたいという一心で勉強していたため、問題を覚えてしまうくらい何度も繰り返し解き、最後には問題集がボロボロに。プレッシャーに押しつぶされそうな時は両親とテレビ電話をしたり、息抜きに友人と遊びに行ったりしてリフレッシュしていました。

合格した時の率直な感想をお聞かせください。

これまでの努力の積み重ねをようやく形として残せたことが本当に嬉しかったです。大学と予備校のダブルスクールを応援してくれた両親をはじめ、いつも近くで支えてくれた先生や友人がいたからこそ合格することが出来ました。自分1人では絶対叶わなかっただろうなと改めて思います。
必須科目である「簿記論」と「財務諸表論」に合格してやっとスタートラインに立てたような気持ちです。次は税法の科目の勉強が始まるので、ここからが勝負だなと感じています。

武蔵の4年間の思い出は?

1つ目は、学友会に所属し、財務局長を務めたことです。全学生から集めた学友会費を各部活やサークルなどへ資金配賦(はいふ)※・予算案作成・黒字金回収などの会費管理を行いました。何千万円もの金額を動かす責任の大きな仕事でしたが、確認作業と会議を慎重に進め、とてもやりがいを感じました。学友会というと堅いイメージがあるかもしれませんが、先輩後輩分け隔てなく交流があり、空きコマには学友会室に集まってみんなで話すのも楽しかったです。
2つ目はゼミです。私は企業会計コースのゼミに所属していたのですが、ゼミ全体が会計に対しての意識が高く、公認会計士の勉強をしている友人もいたため、同じ志を持つ仲間に刺激をもらえたのはとても大きかったです。また、ゼミの山下奨先生には沢山指導していただきました。大学院入試の際には入試資料の作成や面接対策のためにゼミ以外に何度も時間を作ってもらい、親身に相談に乗っていただいたおかげで無事大学院に合格することができました。
※複数の部門にまたがって発生する光熱費などの経費を、一定の基準で振り分けること。

会計大学院の合格おめでとうございます!進学しようと思ったきっかけと、今後の目標を教えてください。

まず将来の目標として、会計業界の大手4社であるBig4と呼ばれる企業に就職し、国内のみならず外資系の業務にも携わっていきたいです。でも私は「簿記論」と「財務諸表論」の2科目しか取得していないので、このまますぐに実務に就くと知識不足や経験不足に陥るのではないかと思い、会計大学院に行くことを決めました。
会計大学院では、税理士試験の勉強に出てこない管理会計や監査論などの分野も学べるので、より専門性が高く、幅広い会計の知識を身に付けることができます。また、修士論文の執筆で税理士試験の科目の一部が免除になるので、試験勉強だけをするよりも知識が得られるのではないかと思いました。さらに、実務に近い演習もあるので、講義で学んだ内容がどのように実務に結びつくのか理解することで、将来クライアントの要望に柔軟に対応できる即戦力として働くことができると考えています。

同じく税理士試験を考えている後輩や、武蔵大学への進学を考えている高校生にアドバイスをお願いします。

私は税理士試験を3年次に受験した際に1度不合格となっていますが、諦めきれず再受験することを決めました。そこで諦めなかったからこそ今の自分があると思います。また合否に限らず、この試験を通して悔しい気持ちを味わい、努力して必死にやり遂げたことが自分自身を大きく成長させてくれたと思います。
大学の4年間は自分がやりたいことに多くの時間を費やせる唯一の期間です。資格勉強だけでなく、部活や課外活動など「何をしたいか」明確に目標として見つけることが大事だと思います。4年間は長いようであっという間に過ぎてしまうので、後悔のない学生生活を送って欲しいです!